アニメ『銀河英雄伝説』『新釈 眞田十勇士』『鬼神童子ZENKI』などのプロデューサー田原正利(正聖)の制作日記

田原正利のプロデューサー日記

帝国側は様式美の世界 | main | 舞台『銀河英雄伝説』その後
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
| スポンサー広告 | --:-- |
舞台『銀河英雄伝説』公開まであと1ヶ月
『銀河英雄伝説』を舞台でやりたいという話を聞いた時、まず「無理でしょう」と言った話は舞台の公式HPでも書いた通りだし、その後に思い直した経緯もその通りなのだが、いよいよ公開が近づいて来て、改めて難しさを実感していることが多々ある。

まず『銀河英雄伝説』の原作には、軽妙洒脱なユーモアがある。田中作品の特徴である俗に「陰険漫才」と呼ばれるようなシーンだ。だが、それは殆ど同盟側で演じられて、帝国側は基本的に質実剛健、謹厳実直、真面目、例外はあっても大きく崩れることはない。言い換えれば作品全体のトーンは重厚長大でありながら、同盟側の軽快さが作品全体を救っている重要なファクターになっているということだ。
今回、『銀河帝国編』ということで同盟側は一切描かないことになった。これは最初からの方針ではなく、双方を描くと話が長くなり過ぎて、とても1公演ですまなくなるということで途中から方針転換した結果だ。それはそれで正解だと思うのだが、帝国側の話に限ってしまうと「堅い」「暗い」「重い」話に偏る危険がある。
だから「総合監修」の立場の判断で、敢えて軽い笑いが取れるようなシーンを入れることを薦めた。最終的に場面に入るかどうかは総合プロデューサーの判断になるが、私の考えとしては原作が持っているバランス感覚を、帝国側だけで描くなら、そういうシーンも必要だと思うのだ。(逆に言えば「総合監修」的には「このくらいまでならやっても作品は壊れない」という線を引いたつもりでもある)
まして舞台公演である。観客の大半は『銀河英雄伝説』を観に来るのではなくキャストを観に来る(………半分くらいは松坂君を観に来る)のだろうから、キャラクターの魅力を出さねばいけないと思うのだ。格好よく艦橋の指揮席でふんぞり返っているラインハルト、ヴェスターラントの件で苦悩するラインハルト………だけでなく、10歳の頃の決意をそのままに持ち続けている=少年のメンタリティを持ち続けているラインハルト、その「可愛げ」も描いてやらなくてはキャラクターの魅力は出ない。言うなれば重厚長大だけでは『銀河英雄伝説』の魅力は語れない、ということでもある。
アニメ化が始まった初期の頃、雑誌のインタビューで「ラインハルトは可愛い奴だと思います」と答えたことを覚えている。その考えはずっと変わっていない。ファンの間でキャラクターの人気を問うと、帝国側だとキルヒアイスやロイエンタールにラインハルトは負けていると言うが、それは実はこの「可愛げ」がちゃんと理解されていないからではないかとさえ思っている。その意味でも、できれば舞台ではそれを出したいと思うのだが、果たしてどうなるか。
スポンサーサイト
| 未分類 | 10:52 | トラックバック:0コメント:0
コメント
コメントする














管理者にだけ表示を許可する

この記事のトラックバックURL
http://mtahara.blog75.fc2.com/tb.php/71-5320a52c
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
トラックバック
| ホーム |

プロフィール

プロデューサーT

Author:プロデューサーT
FC2ブログへようこそ!

最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック

月別アーカイブ
カテゴリー
ブロとも申請フォーム
ブログ内検索

RSSフィード
リンク
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。