アニメ『銀河英雄伝説』『新釈 眞田十勇士』『鬼神童子ZENKI』などのプロデューサー田原正利(正聖)の制作日記

田原正利のプロデューサー日記

舞台『銀河英雄伝説』公開まであと1ヶ月 | main | 悪いことが続く
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舞台『銀河英雄伝説』その後
現在進行形の仕事は水面下で進むことが殆どなので、結局ブログとかに書けるネタが少ない。
舞台の『銀河英雄伝説』も、最初に企画が上がってから2年は経つ。

公開まで1ヶ月ちょっとに迫り、12月1日からいよいよメインキャストの稽古が始まるところに漕ぎ付けた。(アンサンブルの稽古は既に始まっている)
脚本も固まり、演出プランも練られ、美術、衣装など具体的な作業も進んでいる。この時期になったので、そろそろ話題にしてもいいだろう。

今回は総合監修ということで、大局的に観て大きく世界観から外れていないかなどを見る役割なのだが、これが結構バランス感覚が難しい。
誤解されると困るが、「原作がこうなっているから原作の通りにしろ」「アニメでこうしたからそれに合わせろ」というのが私の仕事ではない。
小説と言うのは読む人それぞれの受け取り方がある。こだわりの部分が皆異なる。

例えば(実は現時点でいまだに結論が出ていないのだが)アンスバッハの指輪。原作では凶器として重要な役割を果たすのだが、舞台で見せるにはいろいろ問題がある。映画やアニメのようにカメラが寄れる訳でもなく、実際に光線が出せる訳でもない。観客席から見て何をやっているのかわからなかったら独りよがりになるだけだ。
もちろんやりようはあるのだが、舞台演出の見せ方として何を優先するかと言う話になった時、私の判断ではマストアイテムではないだろうと思った。だから脚本では違うものになったのだが、美術スタッフからは「あれは指輪でしょう」という逆のこだわりが提示されたりする。受け取り方は本当に人さまざまだ。

スタッフ間でさえそうなのだから、観客の中の原作ファンやアニメ版のファンからすれば、「違う!」の大合唱が起きるかもしれない。もっとも、その合唱の中身はバラバラだったりするのだろうが(笑)

今回の観客の6~7割は『銀河英雄伝説』を知らないと想定されている。その人たちにわかってもらわなければならない最低限は何か? そこに主眼を置いて切るべきは切り、変えるべきは変えていかないと舞台劇は成り立たない。そうは言いつつ、他ならぬ『銀河英雄伝説』である為の要素、切ってはいけない、変えてはいけない部分を死守する、そういう意味でのバランスが難しい。

オーベルシュタインの台詞で「AにはA、BにはB」というのがある。原作ではルビを振ってドイツ語風に「アーにはアー、ベーにはベー」と読ませている。アニメの時は音響監督の反対を押し切ってその通り読んでもらった。それはアニメ全編でドイツ語風の読みを多用し、視聴者にも慣れてもらってそういう世界観だと浸透させることができると踏んだからだ。だが今回は「エーにはエー、ビーにはビー」で行こうとしている。それはこの舞台公演のお客さんはこの公演だけで情報は完結されているので、そこで理解できないと困るからだ。

原作にしても帝国を全部ドイツ語風にしているわけではなく、もともと日本語で書かれている関係上外来語として馴染んでしまっている英語(元英語?)は普通に会話で出て来ている。初めて見るお客さんは「エーにはエー、ビーにはビー」に違和感を感じることは100%ないだろう。むしろ「アーにはアー、ベーにはベー」と聞いてすぐに理解できるだろうか? 
もちろん「「アーにはアー、ベーにはベー」と読ませる方が原作の世界観に忠実だし、それが作品の味と言うものだ。だからアニメでは使った。今回は使わない判断をした。そういうことだ。

他の要素にしても全て、それが「マスト」なのかどうか、個別に判断をした結果、変えるものやカットするもの、付け加えるもの、吟味した結果がこうなりました、と言うことだ。

その辺を読み取ってもらえるとありがたい。個々のこだわりはわかるし、それぞれの「ツボ」は違う。だが、「違う!」と脊髄反射で否定するのではなく、ちょっと冷静に考えて欲しい。あなたがこだわっている「それ」は、果たして『銀河英雄伝説』の作品の本質に関わるエッセンスですか? 何故アニメでは、舞台では、こう変えられたのだろうか? そうすると、別の見方や考え方が出て来るかもしれないし、より深く作品を理解することになるかもしれない。


さて、先日キャスト9人のチラシの絵柄を見たファンの声(?)で、「フリードリヒとアンネローゼ以外は似てねえじゃねぇか!」というのがあって笑ってしまった。
(私は逆にフリードリヒがアニメ版のイメージに近過ぎるのを気にしたぐらいなのだが、まぁこれはご愛嬌)

まず、改めてお断りしておくが、今回の舞台はアニメ版の舞台化でもコミック版の舞台化でもない。「似てない」というのは誰に似ていないのだろうか? 発言者は本物のアンネローゼに会ったことでもあるのだろうか?

アニメ版のキャラクターの認知度が高い(中には『銀河英雄伝説』とはアニメが原作だと思っている人さえいるようだが)のはありがたいことだが、あくまで原作は小説であり、各キャラクターはイメージしかないのだから。イメージと違うならともかく、似てる似てないの議論はナンセンスだろう。

そういうことも含めて、もうちょと考えてから発言して下さると嬉しいのだが………ね。
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| 未分類 | 16:07 | トラックバック:0コメント:0
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